Editor : Shige Okusawa (Acousphere)
フィンガーピッキングスタイルのギターは、指の使い方ひとつでいろんな音色を出す事ができるのが大きな魅力ですよね。そんな中でもみんなが憧れる大技が「タッピングハーモニクス」です!
これは右手で弦を叩くようにして音を出す事で、ハーモニクスという澄んだきれいな音を派手に出す事ができる技で、たくさんのギタリストが演奏に活かしています。
今回はそのタッピングハーモニクスが出る原理は省いて、どういう右手の使い方をすると、きれいにハーモニクスが出るのかを説明したいと思います!
上の譜例はタック・アンドレス氏による「哀愁のヨーロッパ」の演奏のタブ譜です。
奥沢の勉強用の手書き譜面なので汚いのは御勘弁を~(TOT)。
チューニングはレギュラーです。
2小節目と3小節目に「Har」と書いてある部分がタッピングハーモニクスで演奏する部分。
タブ譜に書いてある数字は左手がどの弦のどのフレットを押さえているかを表示しています。
ですので、この数字の12フレット上あたりが、右手でタップする場所となります。
(ハーモニクスの原理については別のページでフォローします!)
さてそれではタッピングハーモニクスを出す為に、どのように右手を使えば良いのでしょう?
ただやみくもにタッピングポイントを叩いてもきれいな音は出ません。
そこにはコツがあります。
以下に連続写真で角度などについて説明したものを掲載しますので参考にしてください!
まず始めです。
勢いをある程度はつけなくてはなりませんので、弦との 距離 をとります。
僕の場合はこのような角度になるように手をあげます。
この時肘の角度は通常のフィンガーピッキングの角度と同じままで、手首を使って角度をつけます。
叩いた瞬間の手の写真です。
上の写真の角度からこのような形になるように動くので弦に対して斜めに叩いているのがわかると思います。
この時の動きは野球のピッチャーがボールをスナップして回転をかける動きに似ていますね。
そして最後ですが、このようにギターの後方に向けて指が流れます。
斜めに叩いて斜めに抜けるという運動ができると、弦がトランポリンのように跳ねて、きれいなハーモニクスが出るのです。
直線的に上から下に叩くのではなく、このように指を弦で弾けさせてあげるのがコツですよ!
上の譜例を演奏した動画も用意いたしました。
左の写真をクリックすると見る事ができます。
実際の動きを見ると、写真のものよりも直線的に上下の動きをしているように一見見えると思いますが、イメージとしては写真の動きを意識しています。
そのイメージのもち方だけで音の出方が変わりますので、目で見えるものにだけ捕われないで、練習してみてください。
タック・アンドレス曰く、「本当に洗練されたテクニックは目に見えない」。
う~ん、名言ですよねぇ。ミュージシャンも幕末の侍のように「心の眼」を鍛えなくてはならないのかも?
奥が深いなぁ。まあでもマイペースで一緒にみなさん頑張りましょう!